5G普及に伴い動き出すインフラシェアリングとは?

on 5 8月 2022 by

“5Gの普及にはエリア拡大が最重要と言われていますが、エリア拡大の解決策の1つとして「インフラシェアリング」があります。今回はインフラシェアリングについてまとめてみましょう。
【携帯会社独自のインフラ構築は限界】
携帯会社にとって自前の設備によるモバイルネットワーク設備は競争力の源泉であり、これまで激しいエリア競争が繰り広げられてきました。しかしモバイル市場の競争領域が「ネットワーク構築」から「EC」や「決済サービス」などへ移っており、5Gでは戦略的なエリア以外における効率化なインフラ投資が求められています。
5G向けに割り当てられている高い周波数帯は障害物に弱く、4G以上にたくさんの基地局を設置する必要があります。さらに政府は「デジタル田園都市国家構想」を掲げており、都市と地方のデジタルインフラ整備の格差解消を掲げており、地方にも基地局を設置する必要が出ています。
つまり携帯会社は多くの基地局数設置や、収益性の低いエリアでの基地局展開をしなければならず、これまでやってきた独自のインフラ展開主砲では限界を迎えているのです。
【大注目!基地局のインフラシェアリング事業】
携帯会社独自のインフラ構築が限界を迎えている中、近年注目されているのが基地局のインフラシェアリング事業です。例えばJTOWERは、JMCIA(移動通信基盤整備協会)や携帯会社向けに通信設備シェアリングを手掛けています。JMCIAは通信ニーズが高いエリアでありながら設置場所が限定されるケースに対して、共同で基地局設置をはじめとした環境整備・維持管理などを行う組織です。
インフラシェアリング事業を展開するJTOWERは2012年に創業した会社で、当初は携帯会社の独自構築の意向が強く苦戦していました。しかし2018年に総務省がシェアリングのガイドラインを公表したことで、現在ではNTT、KDDI、楽天モバイルなどの出資を受けています。
これまでJTOWERは屋内向けのシェアリング事業を中心に展開していましたが、最近ではNTTから通信鉄塔を購入するなど屋外ソリューションの強化を図っています。
JTOWER以外にも、インフラシェアリング事業を手掛ける会社は増えています。2021年2月には住友商事と東急が通信インフラの会社「Sharing Design」を設立し、5Gを中心とした基地局シェアリングサービスを提供しています。今後インフラシェアリング事業はますます拡大していくでしょう。
【インフラシェアリングへの期待】
携帯会社は、インフラシェアリング会社の設備を利用すrづことで、5Gエリアを拡大することができます。そして独自に設置する場合と比べて、コスト削減につながるという点も大きなメリットとなるでしょう。
現在では、携帯各社の通信設備をそれぞれ1カ所に集めて設置する基地局サイトのシェアリングですが、将来的には1つの無線機を複数の携帯会社で共用するような無線機シェアリングに発展するでしょう。そうすればさらなるコスト削減効果が期待できるのです。
現在のインフラシェアリング市場規模は年間1.5兆円程度で、携帯会社の設備投資規模からすると1%にも満たないのです。今後5G社会の本格到来に向けて、インフラシェアリングの活躍の場は広がることでしょう。”

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